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農地の所有権移転登記

登記地目と現況地目が異なっている場合に、農地法の許可が必要か否か。

⚫ 登記地目が農地、現況地目が非農地の場合
昭31・2・28民甲431号民事局長回答を参考にして、以下のような回答になります。
現況が非農地である以上、農地法の許可は不要であるが、登記手続においては登記地目によって農地か否かを判断することになります。つまり、現況が非農地なので農地法の許可無く所有権移転の効力は生じますが、登記手続上、非農地への地目変更登記をしないと所有権移転登記をすることはできません。

もちろん、農地法4条許可書(転用許可)を添付しても結論は同じです。
転用許可は農地から非農地へ転用するための許可であり、時系列でいくと、当然、転用前に許可を得るものであるので、地目変更登記をしないまま、農地法4条許可書を添付して所有権移転登記をすることはできません。農地法4条許可書を添付したところで、実際に転用されていることのエビデンスにはなりませんから。。

⚫ 登記地目が非農地、現況地目が農地の場合
登研450号 P128、登研527号 P173を参考にして、以下のような回答になります。
現況が農地である以上、農地法の許可は必要であり、許可を得ないとそもそも所有権移転の効力は生じません。よって、登記は実体上の要件を満たしてから行う手続なので、所有権移転の効力を発生させるために農地法の許可を取得し、さらに、登記上農地であることを明らかにするために地目変更登記をした後でなければ、所有権移転登記をすることはできません。

ちなみに、法定の添付書類ではないのですが、所有権移転登記を申請する際には、固定資産税評価証明書を添付することになっています。主に、登録免許税計算の根拠のために添付するものですが、評価証明書に現況の評価地目が記載されています。登記地目が非農地でも、評価証明書を見ると現況地目が農地であることは法務局には分かってしまいますね。

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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸
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