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解散・清算結了と税務申告

株式会社をたたむ(廃業する)場合、清算が必要となり、結構な時間と手間がかかります。
主に、法務手続と税務手続を並行して進めていくことになります。

⚫ 法務手続について

1.株主総会を開催し、「解散」と「清算人選任」の決議を行います。
 会社は解散決議をしても直ちに消滅するわけではなく、会社の債権債務を清算して初めて会社が消滅します。なので、解散から清算が終わるまでの間は会社は存続しており、会社は清算活動に入ります。
 ちなみに、清算人とは、会社解散後の清算事務を行う人で、通常は、代表取締役を清算人に選任することが多いです。

2.解散日から 2週間以内に、解散登記と清算人の選任登記を行います。

3.解散日後、会社の債権者に対して「会社が解散したこと」を知らせて、「2ヶ月間以内に債権を持っていることを申し出る」よう通知します。
 通知する方法は、「官報での公告」と、会社が認識している債権者に対しては「個別に催告」を行います。

4.債権を回収し債務の弁済を終えて(資産がプラスの場合は残余財産を株主に分配し)、資産と負債がゼロになると清算事務は終了します。

5.決算報告を作成し、株主総会を開催して、その承認を受けます。

6.決算承認の日から2週間以内に、清算結了の登記を行います。登記が完了すると、登記簿は閉鎖され、会社は消滅します。

⚫ 税務手続について(専門外なのでご参考までに)

・ 「本来の期首から解散日まで」が1事業年度となる(解散事業年度)
・ 「解散日の翌日から1年ごとの期間」が1事業年度となる(清算事務年度)
・ 「清算事務年度の期首から残余財産確定日まで」が1事業年度となる(最終清算事務年度)

たとえば、
3月決算で、R3.5.31解散、R4.9.30残余財産確定の場合、
R3.4.1~R3.5.31 解散事業年度
R3.6.1~R4.5.31 清算事務年度
R4.6.1~R4.9.30 最終清算事務年度

3月決算で、R4.5.31解散、R4.9.30残余財産確定の場合、
R4.4.1~R4.5.31 解散事業年度
R4.6.1~R4.9.30 最終清算事務年度


・ 解散事業年度の確定申告は、解散日の翌日から 2か月以内
・ 清算事務年度の確定申告は、清算事務年度終了日の翌日から 2か月以内
・ 最終清算事務年度の確定申告は、残余財産確定日の翌日から 1か月以内
 (ただし、1か月以内に残余財産の最終分配が行われる場合は行われる日の前日まで)

残余財産確定日とは、資産の換価が終了し債務の弁済が完了した日をいうそうです。
実務上、申告の時点でどうしても未払法人税等は残ってしまうので、貸借対照表上に未払金が残っていても申告は受理されるらしいのですが、その後、株主に対して残余財産の分配を行い、未払法人税等の支払いが終了することにより、貸借対照表の全ての科目がゼロとなり、清算結了登記ができるようになります。なので、残余財産確定日と清算結了日はそもそも概念が異なるものです。

司法書士 山森貴幸
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