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父母の戸籍から子に辿り着けない場合がある

珍しい話を聞きましたので、記事にしました。

相続登記の御依頼を受けると、まず被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍を収集し、相続人を確定します。戸籍を辿れば相続人が確定されるはずですが、旧民法時代の戸籍では、戸籍を辿っても、相続人が漏れることがあるそうで…

旧民法時代は、戸主の権力が絶大で、たとえば、父の認知を受けていない子は、母の家の戸主の同意を得られれば母の戸籍に入籍できましたが、戸主の同意が得られない場合、その子は自分だけの戸籍が編製されたようです。「一家創立」と呼ばれるものらしいですが、その他の原因でも一家創立により子のみの戸籍が編製されることがあったそうです。

ここで問題なのが、一家創立の場合、子の戸籍の父母の欄の記載から父母を辿ることはできますが、父母の戸籍にはその子の情報は一切載っていないため、父母の戸籍からはその子の存在が分かりません。
父母の戸籍からその子に辿り着くことができないので、父母が被相続人の場合、被相続人の戸籍から一家創立者である子に辿り着けないことになります。

一家創立者がいる場合、そのまま気づかず(というか、気づくことができず)相続人を欠いた状態で相続手続が進められてしまうことになります。。
戸籍制度の欠陥というような気もしますが、奇跡的に一家創立者である子からの申出があり、その子の戸籍を取得できれば、もちろん問題は解決します。

司法書士も、そのような知識を持たずに、一家創立者である子からの申出があった場合に被相続人の戸籍に載っていないのだからそんなはずは無いといった思い込みで対応してしまうと大変なことになりますし、一家創立者である子の気分を害することもありますので、自分は何でも知っている、といった驕りは持たずしっかりと人の話を聴き、確認することは大切だなぁと思っています。

cf. 庶子・私生子が入る戸籍

※ 本ブログは私見を含んでおりますのでお問い合わせは一切受け付けません。

プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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