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確定前根抵当権の債務者が死亡した場合

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案件自体少なく、理論的に非常に難解なので、調べたことと私見を書いておきます。

根抵当権確定前に債務者Cが死亡し、相続人がAとB、不動産にAの相続登記及び債務者ABの相続登記が入っている。Aを指定債務者とする合意の登記を6か月以内にして、AがBの相続債務を免責的債務引受する。

この場合、Aを指定債務者と登記した時点で、根抵当権は

① 相続開始時に存在する被相続人Cの債務
② 相続開始後に発生するAが根抵当権者に負担する債務

を担保することとなる。

ここで、Bの相続債務をAが免責的に引き受けると、Aが引き受けた債務は根抵当権では担保されなくなる。Aが引き受けたBの相続債務は、被相続人CからBを通じて、新たな行為(免責的債務引受)によってAに生じた債務なので根抵当権の債権の範囲から外れる。「Aと根抵当権者との間」で新たに発生した債務ではないから、ということでもある。

上記免責的債務引受をした場合、根抵当権について、
債務者をAとする変更登記Bから引き受けた債務を債権の範囲に追加する変更登記が必要となる。

債務者を「指定債務者A」から「債務者A」に変更すると、根抵当権は、

① Aと根抵当権者間の根抵当取引で発生した債務

のみを担保することとなり(相続開始前に発生しているAと根抵当権者間の債務も担保することになるが、通常は相続開始前にAと根抵当権者間には債権債務は無い。)、被相続人CからAが承継した相続債務も担保されなくなるので、その債務も債権の範囲に追加する必要が生じる。

よって、変更後の事項の債権の範囲は、

銀行取引 手形債権 小切手債権
令和○年○月○日債務引受(旧債務者B)にかかる債権
令和○年○月○日相続によるAの相続債務のうち変更前根抵当権の被担保債権の範囲に属するものにかかる債権


となる。

司法書士 山森貴幸

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