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権利書は紛失しないで下さい

権利書を紛失すると、

① 事前通知 制度
② 司法書士による 本人確認情報 制度
③ 公証人による 本人確認認証 制度

のいずれかを利用して登記するしか無くなりますが、不動産決済の場においては ① の選択肢をとることはあり得ず、② か ③ の制度を利用することになります。
ただ、③ の制度は、お客様に公証人役場に行ってもらわないといけないので、一般的には ② の制度を利用することがほとんどです。

②の司法書士による本人確認情報制度ですが、これは、司法書士が登記義務者(売主や抵当権を設定する不動産所有者)と面談をし、司法書士が「面談をした人物が所有者であると間違いがない」との心証を得たうえで、権利書に代わる本人確認情報という書類を作成し法務局に提出すれば登記手続が可能になるという制度です。

注意しておきたいのは、本人確認情報は、その1回の登記申請用のみに作成するもので権利書を再発行しているものではない、ということです。
つまり、権利書を紛失してて、抵当権設定登記を本人確認情報によって行い、後日、たとえば、抵当権変更登記(債務者の住所変更等)を行う場合は、再度面談のうえ、本人確認情報を作成しないといけません。登記の都度、作成が必要ということです。さらに、面談は必須です。面談しないで本人確認情報を作成すると刑事罰が科されます(逮捕されます)。面談は、Zoomなどのテレビ電話では不可です。

司法書士が本人確認情報を作成する、ということは、いわば、「面談した人が所有者であること」を司法書士が保証し、保証人になるようなものです。追加で書類作成が必要になることはもちろん、責任も重くなりますので、その分司法書士費用が高くなります(相場としては、5万から10万円ほど)。

以上から、権利書を紛失すると、悪用される可能性があるだけでなく、登記手続をするのに手間と費用が増えてしまいますので、絶対に無くさないで下さいm(_ _)m

司法書士 山森貴幸

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