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「入居一時金の返還金」は相続財産か否か

介護施設や老人ホームに入居する際、一般に「入居一時金」を支払う必要があります。
入居者本人が支払った場合、入居者が存命の間に契約解除する場合は入居者に返還されることとなりますが、入居者が死亡した場合はあらかじめ受取人を指定する契約になっていることが多くあります。

この返還金について、平成27年7月2日東京地裁で「本来の相続財産」とする判決がありました。
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① 入居一時金の返還金は、入居契約の解除又は終了に伴う原状回復又は不当利得として返還されるものであって、受領すべき者は入居契約の当事者である。
② 被相続人死亡の場合には、単に受領すべき被相続人が死亡している以上、被相続人が受領することができないため、事業者の返還事務の便宜のために予め入居契約においてこの場合の受取人が指定されているにすぎず、指定された受取人に当然に返還金全額を帰属させる趣旨ではない。
③ 入居一時金の返還金は被相続人に帰属する財産である。

東京高裁でも維持され(平成28年1月13日)、最高裁もこの判決を維持しました(平成28年6月2日)。

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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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