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混同消滅する債務を債務控除できるか

親が子から借入れをしたまま死亡し、借入債務を子が相続した場合、民法的には債権債務は混同により消滅します。

民法
第520条 債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。

ただし、相続税の計算上は、原則的には親の借入債務を債務控除することができるそうです。

例外的な裁決事例として、
「相続税対策の一環で名目的な債務を創出し、混同による債務の消滅を計画していた事例」で、国税不服審判所は、令和3年6月17日、建物売買に伴い被相続人に生じた債務で混同により消滅したもののうち、当該建物の経済的価値を超える部分については、名目的に成立させたものであって相続税の債務控除の対象となる「確実と認められるもの」には該当しないと裁決した。
税務署は当初混同により消滅した債務の全額について、履行を予定していないものであるから債務控除できないと主張したが、裁決は、履行を予定していない場合であっても、建物の経済価値までの部分については確実なものと認めて債務控除すべき旨を明らかにし、税務署の処分の一部を取り消した。

専門ではないので裁決書も読んでないし、ここからは私のただの独り言ですが、、、
子が所有する建物(時価5,000万円)を父に5,000万円で売却し、売却代金を全て借入金とする。
父が死亡、建物の固定資産税評価額(=相続税評価額)が3,500万円だとすると、5,000万円の債務控除をすると、相続税の課税価格が1,500万円減る。
これを意図的にやってるから、1,500万円については債務控除を認めない。
みたいな感じでしょうか。また税理士に聞いてみよう(笑)

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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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