BLOG

代表取締役の地位のみの辞任の添付書面

取締役会非設置会社
代表取締役A
平取締役B
定款「取締役を複数名置く場合は、株主総会の決議により代表取締役1名以上を定める」

Aが代表取締役の地位のみを辞任して平取締役として残り、Bを代表取締役にしたい。

この場合、取締役の地位と代表取締役の地位が一体化しているため、辞任の意思表示だけでは代表取締役の地位のみを辞任することはできず、株主総会の承認決議が必要となります。

第○号議案 代表取締役辞任の件
 議長は、代表取締役○○より、代表取締役の地位のみを辞任したい旨の申出があったため、その賛否を議場に諮ったところ、出席株主全員異議なくこれを承認可決した。

といった感じ。

この辞任を承認した株主総会議事録が「辞任を証する書面」となり、辞任届は添付書面とならない(ハンドブック P422、実証済み)。辞任届は株主総会の承認決議をするための動機となっているに過ぎないから。

ここで気になるのは、この株主総会議事録に商業登記規則61条8項の適用があるのか。
おそらく適用はあると考えます。。。

よって、辞任する代表取締役が株主総会に出席し、会社実印を押印してもらわないと面倒です。
同時に新代表取締役Bの選定決議もあり、代表者就任による変更登記を申請することになるので議事録の印鑑証明書問題もありますし。

辞任する代表取締役が欠席して押印しない場合は、辞任届を添付することになるんでしょうか。。。

また、当然、新代表取締役Bの就任承諾書は不要で、新代表取締役の印鑑届書と印鑑証明書が必要です。

cf. 定款に互選規定がある場合
当然に代表取締役の地位のみの辞任が可能です。
添付書面は、定款(互選規定があることの確認のため)と辞任届です。


<商業登記規則61条8項>
代表取締役又は取締役(登記所に印鑑を提出した者がある場合にあっては当該印鑑を提出した者に限り、登記所に印鑑を提出した者がない場合にあっては会社の代表者に限る。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、登記所に印鑑を提出した者がある場合であって、当該書面に押印した印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。

※ 本ブログは私見を含んでおりますのでお問い合わせは一切受け付けません。

プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

TOP