その他利益剰余金は決算で確定したものをいい、期中の当期純利益を資本に組み入れることはできません。
営業活動によって生じた期中の利益は、浮動状態であり、事業年度末の【当期純利益】が定時株主総会で確定して初めて貸借対照表の【その他利益剰余金】に計上されるからです。
これに対して、資本取引により加減するその他資本剰余金は、期中に生じたものであっても資本金に組み入れることができます。(事例で学ぶ会社法実務 P283-285参照)
会社法450条に「株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。」と規定していますが、この剰余金がその他利益剰余金のときは、決算で確定貸借対照表に計上されたもののみをいい、期中の利益を含みません。会社法461条2項では、「剰余金」と「期間の利益」を区別していますし、会社計算規則29条では事業年度が終了して、1事業年度の当期純利益を貸借対照表に組み入れるものだとしています。(事例で学ぶ会社の計算実務 P81)
(資本金の額の増加)
第450条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 減少する剰余金の額
二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日
(配当等の制限)
第461条2項 前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう。
一 剰余金の額
二 臨時計算書類につき第441条第4項の承認を受けた場合における次に掲げる額
イ 第441条第1項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額
(その他利益剰余金の額)
第29条 株式会社のその他利益剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。
一 法第448条の規定により準備金の額を減少する場合 同条第1項第一号の額(利益準備金に係る額に限り、同項第二号に規定する場合にあっては、当該額から利益準備金についての同号の額を減じて得た額)に相当する額
二 当期純利益金額が生じた場合 当該当期純利益金額
三 前二号に掲げるもののほか、その他利益剰余金の額を増加すべき場合 その他利益剰余金の額を増加する額として適切な額
進行中の期間利益は、損益計算書が確定しない限り、貸借対照表のその他利益剰余金にならないので、資本金に組み入れることはできません。(これが増減資・組織再編の計算だ! P23)
cf. 剰余金の資本組入れ(2)
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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸