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小切手債権で調べたこと

小切手の授受により原因債権が消滅するか、両債権が併存するかは、当事者の意思を基準として決すべきであり、当事者の意思が不明の場合には、両債権は併存するものと推定すべき(最判昭45.10.22)。

履行による小切手債権の消滅により原因債権は消滅するが、時効及び手続欠缺による手形債権消滅では原因債権は消滅しない。

小切手の支払呈示期間は、振出日から原則10日間であり、これを伸長できない。
小切手の消滅時効は、呈示期間経過後6か月(支払保証人に対しては1年)。

小切手債権が時効消滅しても、原因債権は行使できるから、利得償還請求をすることはできず、さらに、原因債権の行使を怠って時効消滅した結果、利得を与えてしまっている場合、それは小切手法上の権利の消滅により利得したものではないので、利得償還請求権は発生しない。(最判昭38.5.21参照)
言い換えると、この場合の利得は、原因債権の時効消滅の効果として生じているものであり、小切手法上の権利として保護を与える必要がない。

利得償還請求権の消滅時効は、民法の一般原則(民166Ⅰ)に従う。

小切手法
第29条 国内ニ於テ振出シ且支払フベキ小切手ハ10日内ニ支払ノ為之ヲ呈示スルコトヲ要ス
第51条 所持人ノ裏書人、振出人其ノ他ノ債務者ニ対スル遡求権ハ呈示期間経過後6月ヲ以テ時効ニ罹ル
第58条 支払保証ヲ為シタル支払人ニ対スル小切手上ノ請求権ハ呈示期間経過後1年ヲ以テ時効ニ罹ル
第72条 小切手ヨリ生ジタル権利ガ手続ノ欠缺又ハ時効ニ因リテ消滅シタルトキト雖モ所持人ハ振出人、裏書人又ハ支払保証ヲ為シタル支払人ニ対シ其ノ受ケタル利益ノ限度ニ於テ償還ノ請求ヲ為スコトヲ得

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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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