取締役会非設置会社を設立する際、設立時代表取締役を発起人の過半数で選定する取扱いをしていますが、その場合、定款に互選規定が無ければ、設立時代表取締役の就任承諾書は不要です。(ハンドブック P98-99)
添付無しで登記申請はいつも完了していますし、一度、添付せよ、という謎の補正を受けましたが、説明したら補正は取り消されました。
しかし、定款に互選規定がある場合は、会社の意思としては互選代表制を採用していること等から、定款又は発起人の過半数で選定したときでも、設立時代表取締役の就任承諾書が必要だとする見解が有力であり、実務もその取扱いをしているようです。
ハンドブック P98-99
会社成立後は定款の規定に基づく取締役の互選によるとしつつ、設立時代表取締役についてのみ原始定款の附則で直接その氏名を定めた場合において、設立段階の代表取締役の地位と取締役の地位とが分化しているとみるか否かについては、両論があろうが、会社の意思としては基本的に互選代表制を採用していること、従来の実務では、設立時代表取締役を成立後の代表取締役と区別しておらず、このような場合は互選代表制とみたものと考えられること等から、少なくとも、会社成立後に代表取締役の地位と取締役の地位とが分化している場合には、設立時代表取締役の就任承諾を別途要すると考えるのが穏当であるように思われる。定款の規定に基づく取締役の互選によるのでなく、取締役会設置会社についても、同様である。
cf. 設立時代表取締役の代取の地位のみの辞任
個人的には、従来の実務では、設立時代表取締役を成立後の代表取締役と区別しておらず、の部分があまり納得できないところで、設立時代表取締役と成立後の代表取締役は別物のような気がしています。その考えでいくと、成立後の代表取締役の選定方法が定款の定めに基づく取締役の互選であったとしても、設立時代表取締役を発起人(株主)の過半数で選定している以上、設立時代表取締役は直接選定方式で選ばれているので、その就任承諾は不要という結論になると思います。
cf. 設立時代表取締役と代表取締役の定款規定は別物?
なんか一貫性に欠けるような気がしてなりません。
ただ、商業登記法を見ると、一律、添付必要な気もしますけどね。
↓
(設立の登記)
第47条 設立の登記は、会社を代表すべき者の申請によってする。
2 設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次の書面を添付しなければならない。
十 会社法の規定により選任され又は選定された設立時取締役、設立時監査役及び設立時代表取締役が就任を承諾したことを証する書面
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京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸