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新設分割の承認決議は登記申請日前日までに必要

会社法804条の条文上、最短で株主総会の決議の日に、直ちに登記申請できるように読めるが、どうも登記申請の前日までに決議しないと登記は受理されないようです。

(新設合併契約等の承認)
第804条 消滅株式会社等は、株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければならない。

新設分割計画の承認決議の日の翌日以降に、新設分割に係る登記申請がされたときは、承認決議の翌日から20日間を経過する前であっても、当該登記申請は受理される。(登研715)

反対株主の株式買取請求権の行使に関する株主に対する通知又は公告を承認決議より前に実施することは可能であるが、

行使期間中に行使された株式買取請求権が適法なものであるか否かは、当該株主が議決権を有する場合には、承認決議を待たなければ確定しないことから、行使期間中に承認決議が終了している必要がある。

そのため、株式買取請求権の行使期間の末日は、承認決議日より前の日とすることはできない(同日は可能)。
その前提となる通知・公告も承認決議の20日前よりも前に行うことはできない。

たとえば、
2/1 通知又は公告の日(2/2が起算点)
2/21 承認決議(行使期間の末日)←この日の24時に行使期間が満了する。
よって、登記申請は、最短で2/22となる。


しかし、これには反対説があり、新設分割の承認決議日は、株式買取請求権の行使期間後でも何の問題もなく、承認決議日に買取請求期間の短縮の総株主の同意書なくして、登記申請が可能という私見がある。(登記情報587 P14)

第806条(反対株主の株式買取請求)
新設合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
一 第804条第2項に規定する場合
二 第805条に規定する場合
2 前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう。
一 第804条第1項の株主総会に先立って当該新設合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該新設合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)
二 当該株主総会において議決権を行使することができない株主
3 消滅株式会社等は、第804条第1項の株主総会の決議の日から2週間以内に、その株主に対し、新設合併等をする旨並びに他の新設合併消滅会社、新設分割会社又は株式移転完全子会社及び設立会社の商号及び住所を通知しなければならない。ただし、第1項各号に掲げる場合は、この限りでない。
4 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
5 第1項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、第3項の規定による通知又は前項の公告をした日から20日以内に、その株式買取請求に係る株式の数を明らかにしてしなければならない。

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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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