不動産賃貸は、事業的規模かそうでないかに関わらず、原則的に不動産所得となる。
cf. No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁
cf. 法第26条《不動産所得》関係|国税庁
基本通達
26-4(アパート、下宿等の所得の区分)
アパート、下宿等の所得の区分については、次による。
⑴ アパート、貸間等のように食事を供さない場合の所得は、不動産所得とする。
⑵ 下宿等のように食事を供する場合の所得は、事業所得又は雑所得とする。
事業的規模かどうかの形式基準は、5棟10室基準。
青色申告特別控除は、事業的規模なら最大65万円、そうでないなら10万円。
青色事業専従者給与は、事業的規模なら経費にできる、そうでないなら経費にできない。
cf. No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分|国税庁
基本通達
26-9(建物の貸付けが事業として行われているかどうかの判定)
建物の貸付けが不動産所得を生ずべき事業として行われているかどうかは、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で建物の貸付けを行っているかどうかにより判定すべきであるが、次に掲げる事実のいずれか一に該当する場合又は賃貸料の収入の状況、貸付資産の管理の状況等からみてこれらの場合に準ずる事情があると認められる場合には、特に反証がない限り、事業として行われているものとする。
⑴ 貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること。
⑵ 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。
不動産所得が赤字になった場合は、他の黒字の所得金額から差し引くことができる(損益通算)。
損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除する。
cf. No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算|国税庁
cf. No.2070 青色申告制度|国税庁
減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間(法定耐用年数)の全期間にわたり分割して必要経費としていく。
住宅の耐用年数の例
木造 22年
鉄骨鉄筋コンクリート造 47年
cf. No.2100 減価償却のあらまし|国税庁
cf. 主な減価償却資産の耐用年数表.pdf
ちなみに、原則的には、木造なら22年で償却していきますが、それより長い年数で償却しても税務署にはあまり指摘されないそうです(1年当たりの経費が減りますので。反対に、22年より短く償却するのは絶対にダメです)。ただし、長い年数で償却すると、それだけ簿価の減りが少なくなります。出口戦略として、売却の際の譲渡所得税との兼ね合い(売却価格-簿価=利益)が難しいところですね。
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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸