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持分一部譲渡による業務執行社員の加入

業務執行社員である代表社員Aが1人役員である合同会社において、Aの持分100万円のうち50万円をBに譲渡して、Bを代表社員ではない業務執行社員として加入させたい。

定款規定は、
(業務執行)
第6条 当会社の業務は、各社員が執行する。
2 業務執行は社員の過半数をもって決定する。
3 前項の規定にかかわらず、常務は、各社員が単独で決定し、行うことができる。ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りではない。
(代表社員)
第7条 当会社の代表社員は、Aとする。
となっている。

ハンドブックP653によると、
社員の中から業務執行社員や代表社員を特に定めている場合には、その地位は特定の社員の能力・信用を基礎として委託されたものであるため、一般に、社員の持分が譲渡され、又は相続人に包括承継されたときでも、業務執行社員や代表社員の地位が承継されるものではない。
との記載があり、また、同P659に、
業務執行社員の加入の事実を証する書面は、単に社員として加入したことだけでなく、その者が業務執行社員であることをも証する必要があるから、社員の中から業務執行社員を定めている場合には、加入した社員を業務執行社員とする旨の定款変更に係る総社員の同意を証する書面「等」も添付書面となると解される。
との記載がある。

定款変更に係る総社員の同意書に、
1.当会社の業務執行社員Aは、その持分金100万円のうち金50万円をBに譲渡し、Bはこれを譲り受けて、業務執行社員として加入する。
と記載し、業務執行社員と代表社員に関する定款規定は変更が不要なことから、その部分については何も記載していない。

このケースにおいては、社員の中から業務執行社員を特に定めている場合ではないので、当然Bが業務執行社員であることを証する書面は添付不要だが、Aのみが代表社員である(Bが代表社員ではない)ことの証明は必要なのだろうか…
もし必要であれば、定款を添付することになりそうだが、代表社員であることを証する書面に関するハンドブックの記述はなく、定款の添付は不要と考えます。

※ 本ブログは私見を含んでおりますのでお問い合わせは一切受け付けません。

プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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