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遺言代用信託とは?

信託法90条1号又は2号の信託を遺言代用信託といい、信託契約によって遺言と同様の効果を実現するものです。

たとえば、自益信託の信託契約において、委託者の死亡時に受益権を委託者の相続人に取得させる旨の規定を置く、といった感じです。

また、これは遺言代用信託とは呼びませんが、
自益信託の信託契約において、信託の終了事由として委託者の死亡を定め、帰属権利者として委託者の相続人を指定することにより、信託終了時にその残余財産を委託者の相続人に取得させることもできます。

ただし、信託の設定により、遺留分侵害額請求を免れうるものではなく、遺留分制度を潜脱する意図でなされた信託契約の一部が公序良俗違反で無効とされた裁判例(東京地判H30.9.12)があるので、これらのスキームを設計する際は、遺留分の侵害に十分注意しないといけません。

(委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例)
第90条 次の各号に掲げる信託においては、当該各号の委託者は、受益者を変更する権利を有する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
一 委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのある信託
二 委託者の死亡の時以後に受益者が信託財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託
2 前項第二号の受益者は、同号の委託者が死亡するまでは、受益者としての権利を有しない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。


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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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