委託者兼受益者 父
受託者 子
父が認知症を発症後、信託財産を使っての父から子への暦年贈与は、信託の目的に反することなく、信託契約に許容する旨の定めがあれば認められる可能性はありますが、基本的に不可と考えます。
また、孫への暦年贈与についても、受益者に対する忠実義務違反として責任追及をされる可能性があります。
課税上も、認知症発症前の父の意思表示の時点で一括して贈与する意思があったものと認定され、贈与税が課される可能性があるので、不可と考えます。
(忠実義務)
第30条 受託者は、受益者のため忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければならない。
(利益相反行為の制限)
第31条 受託者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 信託財産に属する財産を固有財産に帰属させ、又は固有財産に属する財産を信託財産に帰属させること。
2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。
一 信託行為に当該行為をすることを許容する旨の定めがあるとき。
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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸