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収益不動産の信託についての損益通算の禁止

信託財産である不動産から生じた損失は、不動産所得の計算上なかったものとみなされます。

つまり、信託不動産からの不動産所得がマイナスの場合、そのマイナスは0とカウントされ、非信託不動産からの不動産所得のプラスに対してそのまま所得税が課税されます。(損益通算禁止)

逆に、非信託不動産からの不動産所得がマイナスの場合、そのマイナスは、信託不動産からの不動産所得のプラスから控除することができて、所得税が課税されます。(損益通算)

また、複数の信託契約間の損益は通算できないので、注意が必要です。

租税特別措置法
(特定組合員等の不動産所得に係る損益通算等の特例)
第41条の4の2 特定受益者(信託の所得税法第13条第1項に規定する受益者(同条第2項の規定により同条第1項に規定する受益者とみなされる者を含む。))に該当する個人が、平成18年以後の各年において、信託から生ずる不動産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上当該信託による不動産所得の損失の金額があるときは、当該損失の金額に相当する金額は、同法第26条第2項及び第69条第1項の規定その他の所得税に関する法令の規定の適用については、生じなかったものとみなす。

所得税法
(損益通算)
第69条 総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額を計算する場合において、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、政令で定める順序により、これを他の各種所得の金額から控除する。
(信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属)
第13条 信託の受益者(受益者としての権利を現に有するものに限る。)は当該信託の信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなし、かつ、当該信託財産に帰せられる収益及び費用は当該受益者の収益及び費用とみなして、この法律の規定を適用する。
2 信託の変更をする権限(軽微な変更をする権限として政令で定めるものを除く。)を現に有し、かつ、当該信託の信託財産の給付を受けることとされている者(受益者を除く。)は、前項に規定する受益者とみなして、同項の規定を適用する。
(不動産所得)
第26条 不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付けによる所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。
2 不動産所得の金額は、その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。

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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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