長期相続登記等未了土地の付記登記
長期相続登記等未了土地の付記登記
長期間にわたり相続登記がされていない土地について、登記官が、公共事業等の実施主体からの求めに応じて法定相続人を探索し、その結果を長期相続登記等未了土地へ登記するとともに、法定相続人情報を登記所へ備え付けることにより、事業実施主体が公共事業等の遂行に活用することができるようにする制度。全国50局の全ての法務局で実施。
長期相続登記等未了土地解消事業の概要
要するに、登記官は、特定登記未了土地に該当し、かつ、所有権登記名義人の死亡後10年を超えて相続登記がされていないと認めるときは、法定相続人を調査して、法定相続人情報を備え付け、その旨を職権で付記登記する。また、法定相続人に対し、相続登記の申請を勧告する。
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法
第40条 登記官は、起業者その他の公共の利益となる事業を実施しようとする者からの求めに応じ、当該事業を実施しようとする区域内の土地につきその所有権の登記名義人に係る死亡の事実の有無を調査した場合において、当該土地が特定登記未了土地に該当し、かつ、当該土地につきその所有権の登記名義人の死亡後10年以上30年以内において政令で定める期間を超えて相続登記等がされていないと認めるときは、当該土地の所有権の登記名義人となり得る者を探索した上、職権で、所有権の登記名義人の死亡後長期間にわたり相続登記等がされていない土地である旨その他当該探索の結果を確認するために必要な事項として法務省令で定めるものをその所有権の登記に付記することができる。
2 登記官は、前項の規定による探索により当該土地の所有権の登記名義人となり得る者を知ったときは、その者に対し、当該土地についての相続登記等の申請を勧告することができる。この場合において、登記官は、相当でないと認めるときを除き、相続登記等を申請するために必要な情報を併せて通知するものとする。
3 登記官は、前2項の規定の施行に必要な限度で、関係地方公共団体の長その他の者に対し、第1項の土地の所有権の登記名義人に係る死亡の事実その他当該土地の所有権の登記名義人となり得る者に関する情報の提供を求めることができる。
4 前3項に定めるもののほか、第1項の規定による所有権の登記にする付記についての登記簿及び登記記録の記録方法その他の登記の事務並びに第2項の規定による勧告及び通知に関し必要な事項は、法務省令で定める。
法定相続人情報は、法定相続情報一覧図とは異なり、被相続人ごとに作成されるものではなく、被相続人に数次相続が発生している場合は、数次相続人まで追跡して記載、作成される。
表題部所有者又は登記名義人の相続人が登記の申請をする場合において、当該表題部所有者又は登記名義人に係る法定相続人情報の作成番号を提供したときは、当該作成番号の提供をもって、相続があった
ことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。
また、表題部所有者の相続人が所有権の保存の登記の申請をする場合又は登記名義人の相続人が相続による権利の移転の登記の申請をする場合において、法定相続人情報の作成番号(法定相続人情報に当該相続人の住所が記録されている場合に限る。)を提供したときは、当該作成番号の提供をもって、登記名義人となる者の住所を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報の提供に代えることができる。
平成30年11月15日付け法務省民二第612号民事局長通達
全ての法務局(支局及び出張所を含む。)において、法務局から相続登記がされていない旨の通知がされた者を始め、法定相続人情報に法定相続人として記載されている者から、法定相続人情報の提供の依頼があった場合には、当該法務局において依頼人を確認の上、法定相続人情報を出力した書面を行政サービスとして提供する。
代理人による依頼の場合は、当該代理人の本人確認書類に加え、依頼人の本人確認書類の写しを提示又は添付した上で法務局に依頼書を提出する方法による。なお、本取扱いは行政サービスとして関係者に情報提供を行うものであるから、任意代理により依頼を行う場合の資格者に制限はない。おって、郵送による依頼も可能とし、その場合には依頼に必要となる上記書類に加え、返信用の封筒及び郵便切手の送付を求める(郵送の場合、書留郵便等の受取確認ができる方法に限る。)。
手数料は無料で、法定相続人情報を出力した書面には公印が押されていないので、銀行手続等における証明書として利用することはできません。
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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸