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吸収合併の意義

吸収合併とは、
① 一方の会社が解散して、
② 残った事業財産の現物出資による増資減資資本組入れ等の行為が一括して総合的に行われる
③ 組織の再編行為
である。(全書 P45)

乙→甲
乙が解散すると、乙の法人格も消滅し、乙の役員や法人免許は消滅し、これらは甲に引き継がれない。
合併して解散するのではなく、解散して合併すると捉える。

解散後に残るのは、現実の乙の事業財産(資産と負債)であり、これらの所有者は乙の株主である。
乙の株主が乙の裸の事業財産を甲に現物出資したと考える。
これに対して甲が新株を発行すれば、原則として資本金と資本準備金が増加(増資)し、自己株式を交付すれば、甲のその他資本剰余金の増減となる。
しかし、引き継ぐ財産には負債も含まれるため、増加した資本金と資本準備金を同時に減少(減資)したのと同様に、全額をその他資本剰余金に振り替えることもできる。
これが株式を発行する合併でも資本金と資本準備金を増やさないで済む理由である。
合併対価の全部を自己株式にした場合も、同時に、増加したその他資本剰余金を資本に組み入れたと考えれば資本金と資本準備金に計上することができる。

合併対価が株式以外(たとえば、甲所有の現金)の場合、一見して、財産を購入したのと同じく損益計算書の取引かのようであるが、合併と同時に受け入れた乙の財産は事業年度末日を待たずに(損益計算書を経由させずに)、甲の貸借対照表に計上される。(資本取引)

なお、以上の横型合併に対して、甲が完全子会社を吸収する縦型合併の場合、元々乙の事業財産は甲のものであったから、合併対価の交付の余地もなく、本来の合併ではない。甲が乙に株式投資していたが、それを現物で回収したに過ぎないためである。よって、この場合は、投資損益(抱き合わせ株式消滅損益)という損益計算書上の会計処理がなされる。

(資本金の額の増加)
第450条 株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 減少する剰余金の額
二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日
2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。
3 第1項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。
(準備金の額の増加)
第451条 株式会社は、剰余金の額を減少して、準備金の額を増加することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 減少する剰余金の額
二 準備金の額の増加がその効力を生ずる日
2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。
3 第1項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。

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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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