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合併無効の訴え

会社法には合併の無効原因を定めた規定はなく、端的に、合併手続の瑕疵が無効原因になると考えられている。会社法上の手続の瑕疵としては、債権者保護手続が履行されていない場合などが挙げられる。

実際に合併無効が訴訟で争われたケースは極めて稀であり、合併無効は重大な瑕疵の場合にのみ認められるべきと考えられている。

提訴権者は、合併を承認しなかった債権者などに限られている。
合併を承認しなかった債権者は、債権者保護手続の対象となった債権者であって、かつ主張できる合併の瑕疵は債権者保護手続に関するもののみであると考えられている。もし、知れている債権者に催告をしなかったことにより当該債権者が異議を申し述べる機会を看過したなどという事情があれば、このような債権者も解釈上、承認をしなかった債権者に含められると考えられる。
なお、合併無効の訴えを提起した債権者の債権を会社が弁済するなどして満足を与えれば、訴えの利益がなくなり訴訟は却下されると考えられている。

提訴期間は、合併の効力が生じた日から6か月以内。

認容する判決が確定すると、合併の効力は将来に向かって失われ、判決の効力は第三者との関係にも及ぶ。結果として、合併後の会社は、消滅会社と存続会社に再び分離することになる。(合併ハンドブック P262-266)

(会社の組織に関する行為の無効の訴え)
第828条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。
七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から6箇月以内
2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。
七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者
(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)
第838条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。
(無効又は取消しの判決の効力)
第839条 会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為は、将来に向かってその効力を失う。

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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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