BLOG

特別利害関係ある取締役の取締役会出席の可否

取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。
特別の利害関係を有する取締役とは、決議につき個人的利害関係を有する取締役の意味であり、個人的利害関係とは、会社と委任関係に立ち忠実義務を負う取締役としての任務と矛盾するような利害関係と解することになる。
登研632では、取締役が特別利害関係人になるのは、取引によって取締役個人が利益を受ける場合であると述べている。(利益相反行為の登記実務 P154)

会社法
(取締役会の決議)
第369条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。
2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。
3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
(忠実義務)
第355条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。

一方で、特別の利害関係を有する取締役は、取締役会で、利益相反取引につき重要な事実を開示する必要があるので、取締役会に出席しなければならないと考えられています。旧商法時代の質疑応答ですが、議決権は行使できない取締役であっても取締役会への出席はできるとする回答があります。(同 P158)

(競業及び利益相反取引の制限)
第356条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。
二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。
三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。
(競業及び取締役会設置会社との取引等の制限)
第365条 取締役会設置会社における第356条の規定の適用については、同条第1項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。

登研457
特別利害関係を有する取締役の取締役会への出席の可否と議事録への出席取締役の員数等の記載
〔要旨〕特別利害関係を有する取締役は取締役会に出席することができる。しかし、特別利害関係のある議案の決議については、出席取締役の員数には算入されないので、議事録にはその旨を記載する。

ちなみに、特別利害関係を有する取締役が利益相反取引を決議する取締役会の議長となることの可否については、会社法上規定がなく、登記先例もないが、判例はほぼ一貫して否定している。(同 P151)

cf. 利益相反議事録の印鑑証明書

※ 本ブログは私見を含んでおりますのでお問い合わせは一切受け付けません。

プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

TOP