吸収合併の登記の注意点
吸収合併の登記の注意点
消滅会社:やまもり株式会社(本店:大阪市△△町)
存続会社:株式会社山森(本店:京都市◯◯町)
合併の効力発生日から2週間以内に、存続会社の代表者は、存続会社の本店所在地において、
①吸収合併による変更の登記申請
②吸収合併による解散の登記申請
を同時にしなければならない。
同時に申請するという意味は、存続会社と消滅会社の管轄法務局が相違しても、同じ法務局に連件で申請しなければならないという意味を含む。存続会社の本店所在地が京都地方法務局管轄で、消滅会社が大阪法務局管轄であった場合、①②の登記申請ともに存続会社の管轄法務局である京都地方法務局に同時に連件で提出する。
申請された京都地方法務局で、①②の全部の申請を審査し、問題なければ、①につき登記し、②の申請書に登記をした日を記載し、②の申請分だけを消滅会社の管轄である大阪法務局に送付し、送付された大阪法務局にて消滅会社の登記記録に合併による解散の旨を記入し、登記簿を閉鎖する。
②の解散登記の申請人は存統会社の代表者であって、消滅会社の代表者ではない。登記申請時には、消滅会社は解散して消滅しているからである。また、添付書面はすべて①の申請書に添付し、②には何も添付しない。委任状さえ不要である。(組織再編 P151)
株式会社合併による変更登記申請書(2-1)
会社法人等番号と商号と本店 株式会社山森
申請人 株式会社山森
申請先登記所 京都地方法務局
経由の有無 「有」
管轄登記所 「空欄」
「吸収合併」
令和8年4月12日大阪市△△町やまもり株式会社(←消滅会社)を合併
株式会社合併による解散登記申請書(2-2)
会社法人等番号と商号と本店 やまもり株式会社
申請人 やまもり株式会社
添付書類 一切不要
申請人 本店 大阪市△△町 やまもり株式会社
商号 存続会社 京都市◯◯町 株式会社山森
代表者住所 京都市左京区田中南大久保町
資格 代表取締役 氏名 山森貴幸
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(商業登記申請における補正事例及び協力要請事項より)
申請先登記所 京都地方法務局
経由の有無 「有」
管轄登記所 大阪法務局
「登記記録に関する事項」
令和8年4月12日京都市◯◯町株式会社山森(←存続会社)に合併し解散
<添付書類>
・委任状の委任事項は、当会社は、令和8年4月12日やまもり株式会社を合併したので、その変更登記の申請をする一切の件
・異議を述べた債権者はいない旨の証明書の添付を省略する場合、委任状に、(なお、存続会社及び消滅会社の債権者保護手続において異議を述べた債権者はいない。)などと記載する。cf. 債権者保護手続で異議を述べた債権者がいない場合(合併ハンドブック P229)
・無対価合併の場合でも、登記を意識して、吸収合併契約書に、資本金及び準備金の額に関する事項として、「甲は、合併によりその資本金の額及び準備金の額を増加しないものとする。」などの条項を設けた方がよい。(基本論点 P205、全書 P91、書式集 P300)
・株主総会議事録の押印は任意。(存続会社、消滅会社同日開催が多い。実務と書式 P142)
・株主リストの作成者
・公告をしたことを証する書面(官報PDF)
・増資しない吸収合併の資本金計上証明書
・消滅会社の登記事項証明書「同一管内添付省略」又は「添付省略(会社法人等番号1111-11-111111)」などと記載する。(全書 P153)
・取締役が相手方の会社を代表して合併契約を締結する行為は、利益相反取引に該当する。登記上の添付書類とはならないが、実体法上は承認決議が必要。ただし、完全親子会社間の取引であれば、両会社の利害は実質的に同一であり、両会社間で利益相反が生じることはあり得ないので、実体法上も承認決議は不要と考えられる。(利益相反 P161)
cf. 会社間取引が利益相反取引になるかの判定
cf. 会社間取引と特別利害関係取締役
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京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸