定期同額給与の通常改定
定期同額給与の通常改定
定期同額給与は月々の支給額が同額である必要がありますが、一度決めた支給額の改定が認められないとすると、設立してから解散するまで役員給与の改定ができないことになってしまうため、法人税法は3つの方法(通常改定、臨時改定、業績悪化改定)に限定して改定を認めています。
役員給与に関するQ&A
(定期給与を株主総会の翌月分から増額する場合の取扱い)
当社(年1回3月決算)は、定時株主総会を令和8年6月25日に開催し、役員に対する定期給与の額につき従来の50万円から60万円に増額改定することを決議した。
当社の役員に対する定期給与の支給日は毎月末日となっているが、その増額改定は6月30日支給分からではなく、定時株主総会の日から1ヶ月経過後最初に到来する給与の支給日である7月31日支給分から適用することとした。
この場合、定期同額給与の要件とされている「改定前後の各支給時期における支給額が同額であるもの」という要件は満たさないこととなるか。
<解説>
役員の職務執行期間は、一般に定時株主総会の開催日から翌年の定時株主総会の開催日までの期間であると解され、定時株主総会における定期給与の額の改定は、その定時株主総会の開催日から開始する新たな職務執行期間(翌職務執行期間)に係る給与の額を定めるものであり、
6月25日から開始する翌職務執行期間に係る最初の給与の支給時期を、定時株主総会直後に到来する6月30日ではなく、その翌月の7月31日であるとする定めも一般的である。
したがって、次の①又は②に掲げる各支給時期における支給額が同額である場合には、それぞれが定期同額給与に該当する。
① 当該事業年度開始の日(4/1)から給与改定後の最初の支給時期の前日(7/30)までの間の各支給時期
⇒ 4月30日、5月31日、6月30日
② 給与改定前の最後の支給時期の翌日(7/1)から当該事業年度終了の日(3/31)までの間の各支給時期
⇒ 7月31日、8月31日、……、3月31日
法人税法施行令
(定期同額給与の範囲等)
第69条 法第34条第1項第一号(役員給与の損金不算入)に規定する政令で定める給与は、次に掲げる給与とする。
一 法第34条第1項第一号に規定する定期給与(定期給与)で、次に掲げる改定(給与改定)がされた場合における当該事業年度開始の日又は給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日又は当該事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額が同額であるもの
イ 当該事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日(3月経過日等)までにされた定期給与の額の改定
ロ 当該事業年度において当該内国法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(臨時改定事由)によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の改定
ハ 当該事業年度において当該内国法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(業績悪化改定事由)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限る。)
二 継続的に供与される経済的な利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの
ちなみに、役員給与の改定を事業年度開始の日に遡及して適用することとし、改定時に差額を一括して役員に支給する差額一括支給は定期同額給与の枠外となり、損金不算入とされます。(役員報酬の法務・税務 P109)
cf. 定期給与の増額改定に伴う一括支給額(定期同額給与)|国税庁
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司法書士 山森貴幸