相続土地国庫帰属制度
相続土地国庫帰属制度
⑴ 相続等によって、土地の所有権又は共有持分を取得した者等は、法務大臣に対して、その土地の所有権を国庫に帰属させることについて、承認を申請することができます。
⑵ 法務大臣は、承認の審査をするために必要と判断したときは、その職員に調査をさせることができます。
⑶ 法務大臣は、承認申請された土地が、通常の管理や処分をするよりも多くの費用や労力がかかる土地として法令に規定されたものに当たらないと判断したときは、土地の所有権の国庫への帰属について承認をします。
→ 引き取ることができない土地の要件
⑷ 土地の所有権の国庫への帰属の承認を受けた方が、一定の負担金を国に納付した時点で、土地の所有権が国庫に帰属します。
→ 負担金(10年分の管理費用相当額)
法務省:相続土地国庫帰属制度について
法務省:相続土地国庫帰属制度の概要
ちなみに、審査手数料の金額は、土地1筆当たり14,000円(上記負担金とは別)
<専門家の活用等について>
承認申請手続は、法定代理人(親権者、成年後見人等)による場合を除き、申請者が任意に選んだ第三者に申請手続の全てを依頼する手続の代理は認められません。
そのため、法定代理人による場合を除いては、申請手続は申請者本人が行う必要があり、申請書には申請者本人の記名、押印が必要となります。
→ 申請書や添付書類(申請書等)の作成代行は、弁護士、司法書士及び行政書士に限って認められます。申請後に、法務局担当官による実地調査における現地確認への協力を求められる場合がありますが、申請者が任意に選んだ第三者にその対応を依頼することも可能です。
相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律
(目的)
第1条 この法律は、社会経済情勢の変化に伴い所有者不明土地(相当な努力を払ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない土地をいう。)が増加していることに鑑み、相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)(相続等)により土地の所有権又は共有持分を取得した者等がその土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度を創設し、もって所有者不明土地の発生の抑制を図ることを目的とする。
(承認申請)
第2条 土地の所有者(相続等によりその土地の所有権の全部又は一部を取得した者に限る。)は、法務大臣に対し、その土地の所有権を国庫に帰属させることについての承認を申請することができる。
2 土地が数人の共有に属する場合には、前項の規定による承認の申請(承認申請)は、共有者の全員が共同して行うときに限り、することができる。この場合においては、同項の規定にかかわらず、その有する共有持分の全部を相続等以外の原因により取得した共有者であっても、相続等により共有持分の全部又は一部を取得した共有者と共同して、承認申請をすることができる。
3 承認申請は、その土地が次の各号のいずれかに該当するものであるときは、することができない。
一 建物の存する土地
二 担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
三 通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地
四 土壌汚染対策法第2条第1項に規定する特定有害物質により汚染されている土地
五 境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
(承認申請書等)
第3条 承認申請をする者(承認申請者)は、法務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した承認申請書及び法務省令で定める添付書類を法務大臣に提出しなければならない。
一 承認申請者の氏名又は名称及び住所
二 承認申請に係る土地の所在、地番、地目及び地積
2 承認申請者は、法務省令で定めるところにより、物価の状況、承認申請に対する審査に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める額の手数料を納めなければならない。
(承認申請の却下)
第4条 法務大臣は、次に掲げる場合には、承認申請を却下しなければならない。
一 承認申請が申請の権限を有しない者の申請によるとき。
二 承認申請が第2条第3項又は前条の規定に違反するとき。
三 承認申請者が、正当な理由がないのに、第6条の規定による調査に応じないとき。
2 法務大臣は、前項の規定により承認申請を却下したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を承認申請者に通知しなければならない。
(承認)
第5条 法務大臣は、承認申請に係る土地が次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、その土地の所有権の国庫への帰属についての承認をしなければならない。
一 崖がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
二 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地
三 除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地
四 隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地として政令で定めるもの
五 前各号に掲げる土地のほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地として政令で定めるもの
2 前項の承認は、土地の一筆ごとに行うものとする。
(事実の調査)
第6条 法務大臣は、承認申請に係る審査のため必要があると認めるときは、その職員に事実の調査をさせることができる。
2 前項の規定により事実の調査をする職員は、承認申請に係る土地又はその周辺の地域に所在する土地の実地調査をすること、承認申請者その他の関係者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることその他承認申請に係る審査のために必要な調査をすることができる。
3~8(省略)
(資料の提供要求等)
第7条 法務大臣は、前条第1項の事実の調査のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長、関係のある公私の団体その他の関係者に対し、資料の提供、説明、事実の調査の援助その他必要な協力を求めることができる。
(承認に関する意見聴取)
第8条 法務大臣は、第5条第1項の承認をするときは、あらかじめ、当該承認に係る土地の管理について、財務大臣及び農林水産大臣の意見を聴くものとする。ただし、承認申請に係る土地が主に農用地又は森林として利用されている土地ではないと明らかに認められるときは、この限りでない。
(承認の通知等)
第9条 法務大臣は、第5条第1項の承認をし、又はしないこととしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨を承認申請者に通知しなければならない。
(負担金の納付)
第10条 承認申請者は、第5条第1項の承認があったときは、同項の承認に係る土地につき、国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して政令で定めるところにより算定した額の金銭(負担金)を納付しなければならない。
2 法務大臣は、第5条第1項の承認をしたときは、前条の規定による承認の通知の際、法務省令で定めるところにより、併せて負担金の額を通知しなければならない。
3 承認申請者が前項に規定する負担金の額の通知を受けた日から30日以内に、法務省令で定める手続に従い、負担金を納付しないときは、第5条第1項の承認は、その効力を失う。
(国庫帰属の時期)
第11条 承認申請者が負担金を納付したときは、その納付の時において、第5条第1項の承認に係る土地の所有権は、国庫に帰属する。
2 法務大臣は、第5条第1項の承認に係る土地の所有権が前項の規定により国庫に帰属したときは、直ちに、その旨を財務大臣(当該土地が主に農用地又は森林として利用されていると認められるときは、農林水産大臣)に通知しなければならない。
相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令
(承認申請をすることができない他人による使用が予定される土地)
第2条 法第2条第3項第三号の政令で定める土地は、次に掲げる土地とする。
一 現に通路の用に供されている土地
二 墓地内の土地
三 境内地
四 現に水道用地、用悪水路又はため池の用に供されている土地
(承認申請の手数料)
第3条 法第3条第2項の規定により納付すべき手数料の額は、承認申請に係る土地の1筆ごとに1万4千円とする。
(負担金の算定)
第5条 法第10条第1項の政令で定めるところにより算定する金額は、次の各号に掲げる土地の区分に応じ、当該各号に定める金額とする。
一 宅地のうち、都市計画法第7条第1項に規定する市街化区域の区域(同項に規定する区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域にあっては、同法第8条第1項第一号に規定する用途地域が定められている土地の区域)内にあるもの 次の表の上欄に掲げる地積(㎡を単位とする。)の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる金額
地積の区分 負担金に係る算定金額
50㎡以下のもの 地積に4070円を乗じて得た額に20万8000円を加えて得た額
100㎡以下のもの 地積に2720円を乗じて得た額に27万6000円を加えて得た額
200㎡以下のもの 地積に2450円を乗じて得た額に30万3000円を加えて得た額
400㎡以下のもの 地積に2250円を乗じて得た額に34万3000円を加えて得た額
800㎡以下のもの 地積に2110円を乗じて得た額に39万9000円を加えて得た額
800㎡超えのもの 地積に2010円を乗じて得た額に47万9000円を加えて得た額
二 主に農地として利用されている土地のうち、都市計画法第7条第1項に規定する市街化区域の区域内、農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第一号に規定する農用地区域内又は土地改良法第2条第2項に規定する土地改良事業若しくはこれに準ずる事業として法務省令で定めるものが施行される区域内にあるもの 次の表の上欄に掲げる地積の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる金額(省略)
三 主に森林として利用されている土地 次の表の上欄に掲げる地積の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる金額(省略)
四 前三号に掲げる土地以外の土地 20万円
2 前項の規定により算定した金額に1000円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てるものとする。
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京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸