揉めている相続の場合、相続税申告を別々に行うことがあり得ます。
この場合、相続税申告をした相続人に申告書の控えを見せてもらうことは不可能ですし、税務署が開示してくれる可能性も無いそうです(個人情報の塊ですし…)。
では、裁判所を通じた税務署に対する相続税申告書の開示請求はどうでしょうか。
これについては、裁判例があり(福岡高裁宮崎支部 平成28年5月26日決定)、民事訴訟法220条1項4号ロにより、開示請求は認められませんでした。
民事訴訟法(文書提出義務)
第220条 次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。
四 前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。
ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの
困りましたね。。。
贈与税の申告書の開示請求は部分的に認められてるみたいです。
↓
No.4202 相続税の申告のために必要な準備|国税庁 (nta.go.jp)
相続税法(相続時精算課税等に係る贈与税の申告内容の開示等)
第49条 相続又は遺贈により財産を取得した者は、当該相続又は遺贈により財産を取得した他の者がある場合には、当該被相続人に係る相続税の期限内申告書、期限後申告書若しくは修正申告書の提出又は国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の規定による更正の請求に必要となるときに限り、他の共同相続人等が当該被相続人から当該相続の開始前三年以内に取得した財産又は他の共同相続人等が当該被相続人から取得した第二十一条の九第三項の規定の適用を受けた財産に係る贈与税の申告書に記載された贈与税の課税価格の合計額について、政令で定めるところにより、当該相続に係る被相続人の死亡の時における住所地その他の政令で定める場所の所轄税務署長に開示の請求をすることができる。
2 前項の請求があつた場合には、税務署長は、当該請求をした者に対し、当該請求後二月以内に同項の開示をしなければならない。
※ 本ブログは私見を含んでおりますのでお問い合わせは一切受け付けません。
プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸