たとえば、相続財産に銘柄Aの株式があり、それを被相続人が X 証券会社 で保有していた場合で、同じA株式を Y 証券会社 で保有している相続人が、被相続人のA株式を遺産分割協議により取得し、Y 証券会社 でまとめて管理したいというニーズがあると思います。
証券会社間での株式異動は、「預け替え」といい、証券会社間で振替による預け替えは可能です。
A株式を取得する相続人が X 証券会社 で口座を持っていない場合、相続人名義の X 証券会社 の口座を開設し、その口座に被相続人のA株式を一旦相続移管して、その後に相続人名義の Y 証券会社 の口座に預け替えをすることになります。
注意しておきたいのは、遺産承継業務で、代理人名義の X 証券会社 の預かり口座を開設し、被相続人のA株式をその預かり口座に相続移管した後、預かり口座から相続人名義の Y 証券会社 に預け替えすることはできません。口座名義人が異なる預け替えは不可とされているからです。
司法書士 山森貴幸