法定相続人が複数名いて、相続不動産を売却・換価してその売却代金を相続人間で分けて取得する、いわゆる換価分割 の場合、便宜的に代表者1名名義に相続登記をして売却した方が手続的にラクなことがあります。
もちろんこの場合、贈与税の課税が問題になることはありません
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遺産の換価分割のための相続登記と贈与税|国税庁 (nta.go.jp)
が、遺産分割協議書の書き方として、「便宜上」といった言葉を使用すると、相続登記が通りません。実体と異なる登記が認められるわけがないからです。
なので、
第1条 相続人○○○○は、次の不動産を取得する。
不動産の表示 省略
第2条 相続人○○○○は、前条の不動産を速やかに売却・換価するものとし、売却代金から売却に要する一切の費用及び売却が完了するまでに要する管理費用等を控除した残金を、相続人○○○○、△△△△及び▢▢▢▢が各3分の1の割合で分割し、取得する。
といった記載をすることで、相続登記は通ります。
法務局の審査としては第1条しか見ない?からです。
登記を確実に通して、税務上も問題にならない文章を考えるのも仕事のうちです。
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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸