取締役の死亡にあたり、弔慰金という名目で支給される金銭があるが、これが遺族に対して儀礼的に常識の範囲内の金額で支払われる場合には、職務執行の対価にはあたらない。
これに対し、死亡した取締役の在職中の職務執行の対価としての性質を有するものは、死亡退職金等、その名目のいかんを問わず、報酬に該当する。(最判昭48.11.26)
取締役の死亡後に遺族に弔慰金を支給する場合、あるいは会社が受領した企業保険としての生命保険金の一部を遺族に贈呈する場合も、退職慰労金に準じた扱いとして、会社法361条の適用に服する。
在職中の職務執行の対価としての性質を有するか否かについては、明確な判断基準はないが、税務上、死亡当時における賞与以外の普通給与の半年分(業務上の死亡の場合は3年分)が相続税の課税対象にならない限度額と定められていることが、一応の参考になるとされている。(役員報酬の法務・税務 P51-52)
cf. No.4120 弔慰金を受け取ったときの取扱い|国税庁
cf. 相続税法基本通達3-20
cf. 取締役の退職慰労金の決定方法
cf. 死亡退職に伴い支給された遺族補償金
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プラスカフェ 相続
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司法書士 山森貴幸