民法上、贈与契約は諾成契約であり、当事者の意思表示の合致のみで成立します。
cf. 法律行為の本質と契約の分類
一方で、贈与の意思を明確にするとともに軽率に贈与しないよう戒め、紛争の発生を防止するため、書面によらない贈与については、各当事者に解除権を認めています。
なお、この解除権は、消滅時効にかからない。(大判大8.6.3)
(書面によらない贈与の解除)
第550条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
ここで、税法上の財産取得の時期について。
<金銭、動産、未登記不動産>
書面による贈与 ⇒ 贈与契約書締結日
書面によらない贈与 ⇒ 履行の時(引渡日)
相続税法基本通達1の3・1の4共-8
<既登記不動産>
書面による贈与 ⇒ 贈与契約書締結日
書面によらない贈与 ⇒ 履行の時(引渡日or登記日)
相続税法基本通達1の3・1の4共-11
cf. 贈与についての条文
書面による贈与成立日が贈与契約書締結日とされているのは、書面によらない贈与と違って、解除することができないからです。
<書面による贈与に関して…> 平成9年1月29日裁決、最判平成11年6月24日
たとえ書面が存在していても、その真実性には疑問が多く、むしろ全体を総合的にみるならば、その内容が租税回避その他何らかの目的により、当事者の真意とは別になされた仮装の行為とみるのがより自然かつ合理的であるようなものまで、書面による贈与としての効力を認めようとするものではないと解するのが相当である。
(平9.1.29裁決、裁決事例集No.53 381頁) | 公表裁決事例等の紹介 | 国税不服審判所
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書面によらない贈与として認定して、贈与成立日を所有権移転登記日と判断しました。
よって、不動産の贈与に関しては、必ず登記を行って、贈与を完了させることが大事です。
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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸