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遺言と異なる遺産分割協議・調停

遺言執行者がいない場合には、相続人全員、受遺者がある場合は受遺者を含めた関係者全員の合意がある場合には、遺言と異なる内容の遺産分割協議を行うことも可能と解されています。家庭裁判所の実務においても、相続人全員、そして受遺者がある場合は受遺者を含めた関係者全員が、遺言の存在、内容を理解した上で同意し、その内容も不相当でなければ、遺言と異なる内容の遺産分割調停を成立させているといわれます。

cf. 特定財産承継遺言と異なる内容の遺産分割協議

問題は、遺言執行者がいる場合…
遺言を執行すべき事項がある場合に、遺言と異なる遺産分割協議・調停を行うことは、遺言の執行を妨げる行為を禁ずる民法1013条の趣旨からすれば、原則として同条に違反するものであり、遺言執行者としてこれに同意し、又は既に行われた遺産分割協議・調停を追認することは、原則としてできないと考えます。(遺言執行実務マニュアル P26)

この点、遺言執行者の同意の下に、相続人全員及び受遺者との間で、遺言と異なる処分の合意がなされた事案において、当該合意は、遺言の解釈及び執行上の問題点を調整、解決するために遺言執行者が働きかけてなされたものであり、相続人間の合意が遺言の趣旨を基本的に没却するものではなく、遺言執行者が予めこれに同意した上、相続人及び受遺者との間の合意に基づく履行として相続人の処分行為がなされた場合には、民法1013条の趣旨に反するものとはいえず無効ということはできないとした裁判例があります。(東京地判昭63.5.31)(協議書作成マニュアル P196)
家庭裁判所の実務では、遺産分割調停において、遺言執行者がある場合に、当事者全員で遺言と異なる遺産分割を希望し、調停が成立するときには、利害関係人として遺言執行者を参加させる扱いをしています。

(遺言の執行の妨害行為の禁止)
第1013条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
2 前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
3 前2項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。

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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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