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有限会社において取締役が代取のみになった場合

定款に「取締役2名を置き、取締役の互選をもって1名を代取とする」旨の定めがある有限会社
代取A、平取Bとする。

B辞任と後任平取C就任が同時になされた場合、残存取締役Aの代取たる資格がそのまま維持されるので、B辞任及び平取C就任の登記のみを申請すれば足りる。(登研235、昭42.5.1民甲第1012号)
cf. 有限会社の取締役が1名となった場合

なお、定款に取締役の員数の定めがなく、「取締役2名以上あるときは、うち1名を取締役の互選によって代取とする」旨の定めがある場合、Bが辞任すると、取締役はA1名になるので、互選規定の適用がないから、B辞任登記と併せて代取Aの氏名抹消登記をも同時に申請すべきである。(登研235)

登研840
特例有限会社
代取A、平取B

Bが平成28年に死亡
平成30年1月開催の株主総会で後任の取締役Cが選任され、代取にAが選定された。

定款には「取締役を2名置く。取締役の互選によって代取1名を定める」旨規定されていたところ、上記平成30年1月開催の株主総会において、「取締役を1名以上を置く、取締役が2名以上いる場合には取締役の互選により代取1名を定める」旨の規定に変更する決議がなされた。

この場合に申請する登記としては、
① 取締役B死亡
② 同日、代取Aの氏名抹消
③ 取締役C就任(平成30年1月)
④ 代表取締役A就任(平成30年1月)

となるか。

⇒ 取締役Bの死亡から後任者Cの就任まで約2年が経過し、代表取締役の選定方法に実質的変更ありませんが、定款も変更していますので、ご意見のとおりで差し支えないと考えます。

<解説部分の抜粋>

代表取締役を置く特例有限会社において取締役が代表取締役のみになった場合の取扱い

⑴ 取締役が死亡した場合
 取締役の死亡によって定款に定めた取締役の員数を欠くことになる場合は、死亡した取締役の後任取締役を選任した上、取締役の死亡及び後任取締役の就任による変更の登記を申請することも考えられますので、後任取締役の就任による変更の登記を、取締役の死亡による変更の登記と同時に申請する場合は、代表取締役の氏名の登記の抹消を申請する必要はないと解されています(昭42.5.1民甲第1012号)。
 しかし、取締役の死亡の場合には、たとえ取締役の死亡によって定款に定めた取締役の員数を欠くことになっても、後任取締役を選任しないでする取締役の死亡の登記は受理されますので、この場合は、取締役の死亡の登記と併せて代表取締役の氏名の登記の抹消が必要になります。

⑵  取締役が辞任した場合
 取締役の辞任によって定款に定めた取締役の員数を欠くことになる場合は、辞任した取締役は後任取締役が就任するまでなお取締役としての権利義務を有しますので、後任取締役が就任するまで辞任による変更の登記を申請することはできません。
 そこで、この場合は、取締役の後任取締役を選任し、取締役の辞任及び後任取締役の就任による変更の登記を申請することになります。この場合は、代表取締役の氏名の登記の抹消を申請する必要はありません。

ご質問の場合の登記の申請
 ご質問の場合は、定款の変更前は、取締役の定数は、2名と定められていますが、取締役の死亡の場合には、たとえ取締役の死亡によって定款に定めた取締役の員数を欠くことになっても、取締役の死亡の登記は受理されますので、本来であれば、登記期間も考えて、平成28年に取締役の死亡の登記と併せて代表取締役の氏名の登記の抹消を申請すべきであったと考えます。しかし、その申請をせず、平成30年1月に至り、定款を変更し、死亡した取締役の後任者を選任の上、変更定款に基づき代表取締役を選定したというわけですから、昭42.5.1民甲第1012号による処理よりも、質問者の見解による処理の方が、妥当と考えます。
 そこで、次に代表取締役Aの就任の登記の要否ですが、取締役Bの死亡前も後(定款の変更後)も、代表取締役の選定方法は「取締役の互選」で、選定された代表取締役は同じAですが、平成28年に取締役Bの死亡により代表取締役Aの氏名は抹消することになりますので、私見では、昭42.5.1民甲第1012号による処理はできず、代表取締役Aの就任の登記は要すると考えます。

cf. 有限会社における代取の氏名抹消登記の要否

※ 本ブログは私見を含んでおりますのでお問い合わせは一切受け付けません。

プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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