BLOG

抵当権の利息の登記の要否

① 利息の定めの有無
② 利率の定めの有無 の順番で考える。

<民事債権>

① 利息の定め
  無し ⇒ 登記不可(無利息)
  あり ⇒ 登記しなければならない(登記事項の留保は不可)
     ⇒ 無利息の定め
       あり ⇒ 「無利息」で登記
       無し ⇒ ② 利率の定め 
              無し ⇒ 法定利率で登記
              あり ⇒ 約定利率で登記

<商人間の金銭消費貸借>

① 利息の定め
  無し ⇒ 当然利息だから、登記しなければならない
     ⇒ ② 利率の定め
         無し ⇒ 法定利率で登記
         あり ⇒ 約定利率で登記
  あり ⇒ 登記しなければならない(登記事項の留保は不可)
     ⇒ 無利息の定め
       あり ⇒ 「無利息」で登記
       無し ⇒ ② 利率の定め
              無し ⇒ 法定利率で登記
              あり ⇒ 約定利率で登記

cf. 利息と利率について

不動産登記法
第88条(抵当権の登記の登記事項)
抵当権の登記の登記事項は、第59条各号及び第83条第1項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 利息に関する定めがあるときは、その定め

登研64
無利息の定めも、抵当権設定登記申請書に記載して登記すべきである。
登研283
抵当権設定登記申請において、登記原因証書に記載された利息の定めを申請書に記載しないときは、却下される。
登研470
抵当権設定登記申請において、無利息の約定のある場合は、「無利息」と記載すべきである。

登研240
金銭消費貸借契約において、元本につき利息定めなしとする定めがある場合、その定めは、利息の定めと解されないので登記することはできない。

登研288
抵当権設定契約書に「利率」と記載されている場合でも登記申請書には「利息」と記載するのが相当である。

登研27
消費貸借上の債権に利息を付する旨の約定をした場合には、その利率は、利息制限法所定の利率を超えてはならない。
登研95
利息制限法所定の利率を超える利息を定めた場合において、抵当権設定登記を申請するには、同法所定の利率に引き直して申請すべきであり、また、当該物件が競売に付せられた場合の利息金は、同法所定の利率による。

登研772
金銭消費貸借における元本につき利息定めなしとする定めは、利息を無利息とする定めと異なり、そもそも利息の定めを設けないという趣旨であるから、その定めは利息の定めとは解されないので、これを登記することは認められない。

抵当権設定登記を申請するか否かは当事者の自由であるとしても、対抗要件を備えるために抵当権設定登記を申請する以上は、当該抵当権の内容を実体どおりに登記すべきであり、また、公示制度としての登記としては、抵当権の内容をできる限り明確にすべきであることから、登記原因証明情報に利息等の定めがあるときは、これを必ず申請情報の内容として申請書に記載し、登記事項とすることを要するものと解すべきである。そして、申請書に記載がない場合は、「申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき」に該当するものとして、当該登記申請は、不動産登記法25条5号の規定に基づき却下すべきであるとされている。

「利息」とは、他人に金銭を使用させたものが、一定の割合をもって定期に受ける報酬であり、利子と同義である。一方、「利率」とは、元金に対する利息の割合であり、年利、月利、日歩で表される。したがって、抵当権設定契約書に「利率 年3%」と記載されている場合であっても、申請情報には、「利息 年3%」と記載するのが相当であり、不動産登記法88条1項1号に規定する「利息」に代えて割合を示す「利率」と記載するのは相当でない。

金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約が利息制限法に規定する限度を超える場合には、利息債権を担保する抵当権設定契約もその超過部分については無効であるから、その部分をも含む利息に関する定めを申請情報に記載した抵当権設定登記申請は受理されない。したがって、貸金業者ではない一般私人が、私人間における金銭の貸借について利息を付する旨の約定をする場合であっても、その利率は、利息制限法に規定する限度を超えてはならない。
しかしながら、利息制限法所定の限度を超えた利息の定めのある登記原因証明情報(金銭消費貸借契約書)を提供した場合であっても、抵当権設定登記申請書に、超過部分を利息制限法所定の利率に引き直した利息が記載されているときは、そのまま受理して差し支えない。

※ 本ブログは私見を含んでおりますのでお問い合わせは一切受け付けません。

プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

TOP