金銭債権は、法定相続分に応じて当然に分割承継する。
よって、遺産分割の対象とならない(最判昭29.4.8)。
ただし、普通預金、通常貯金、定期貯金(最大決平28.12.19)、定期預金、定期積金(最判平29.4.6)は法定相続分に応じて当然に分割されることはなく、遺産分割の対象となる。
金銭債務は、法定相続分に応じて当然に分割承継する。
よって、遺産分割の対象とならない(大決昭5.12.4、最判昭34.6.19)。
債権者との関係については、民法902条の2の規定に従う。
(相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使)
第902条の2 被相続人が相続開始の時において有した債務の債権者は、前条の規定による相続分の指定がされた場合であっても、各共同相続人に対し、第900条及び第901条の規定により算定した相続分に応じてその権利を行使することができる。ただし、その債権者が共同相続人の一人に対してその指定された相続分に応じた債務の承継を承認したときは、この限りでない。
つまり、遺言による相続分の指定にかかわらず、法定相続分に従った債務の履行請求が可能。遺言による相続分の指定は、債権者の関与なくなされたものであるため、債権者との関係では効力が及ばない(最判平21.3.24)。
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京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸