実家が父名義
父母、子2人
父が死亡して、遺産分割協議も相続登記もしないまま、母が死亡した。
このケースで、父の相続に関して母を経由せずに子が直接取得する旨の遺産分割協議書を作成し相続登記をしてしまった場合、空き家特例の適用を受けることができません。
ここで、「父→子の相続登記」を「父→母→子の相続登記」へ更正する登記は、更正前後の同一性が認められないためできませんが、一旦「父→子の相続登記」を抹消し、再度「父→母→子の相続登記」をすることは可能です。
しかし、この「登記のやり直し」をしても、
東京地判令和6年9月2日において、「錯誤取消しが認められない既に成立してしまっている遺産分割協議を合意解除して改めて遺産分割協議をやり直したとしても、相続とは別の新たな処分行為により取得したものと取り扱われるため空き家特例の適用を受けることはできない。」という補助参加人の主張に対し、裁判所は、「相続登記手続が終わった後に、遺産分割協議書を作成し直したり、本件建物の更正登記を行ったとしても、空き家特例の適用を受けることができたとは認められず」と肯定的に判断しており、
空き家特例の適用を受けることは難しいと考えます。
<独り言>
理論構成が分からないのですが、
相続税法基本通達19の2-8
法第19条の2第2項に規定する「分割」とは、相続開始後において相続又は包括遺贈により取得した財産を現実に共同相続人又は包括受遺者に分属させることをいい、その分割の方法が現物分割、代償分割若しくは換価分割であるか、またその分割の手続が協議、調停若しくは審判による分割であるかを問わないのであるから留意する。
ただし、当初の分割により共同相続人又は包括受遺者に分属した財産を分割のやり直しとして再配分した場合には、その再配分により取得した財産は、同項に規定する分割により取得したものとはならないのであるから留意する。
を見ると、一見、父の遺産分割協議をやり直すと、「子→母」の贈与と取り扱われて贈与税の問題は発生するが、母の遺産分割協議での「母→子」は相続による取得だから空き家特例は適用されるのでは?と思うのですが、きっと、もっと単純に、遺産分割協議のやり直しだから、父から子への移転を一体として捉え、これを「相続とは別の新たな処分行為による取得」として取り扱われるので相続空き家の特例は適用できない、ということなんでしょうかね。
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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸