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取締役の任期短縮

役員変更登記にはかなりの数のパターンがあるので、実務上悩んだことを載せていきます。
しばらくは、「取締役会を設置していない株式会社」を前提に書いていきます。

早速ですが、本題、平18.3.31民商782号通達に、
定款を変更して取締役の任期を短縮した場合には、在任取締役の任期も短縮される、とあります。

では、定款変更の時点で、短縮後の任期がすでに満了してしまってる場合はどうなるのでしょうか。

商業登記ハンドブック第4版 P390 によると、在任取締役は、定款変更時に退任するのであり、遡って過去の時点で退任していたとみるのではなく、任期満了による退任と解して差し支えないとされているそうです(実務相談3・P104)。

先日、株主総会の第1号議案で定款全面改定(任期短縮を含む。)を決議し、第2号議案で取締役の改選決議を行いました。議事録の記載方法につき、少し戸惑いましたが、下記のような記載で登記は問題無く完了しました。
※ 参考程度にお願いします。本記事を参考にしても一切責任を負いません。

議長は、第1号議案が可決され、取締役の任期に関する定めが、「取締役の任期は、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。」から「取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。」に変更されたことに伴い、当該定款変更時に取締役 何某 が任期満了となっているため、取締役の改選の必要がある旨を述べ~

要は、第1号議案が承認可決された時点で在任取締役は任期満了退任しているので改選の必要がある、ということですね。議事録にここまで細かく記載する必要ないだろ、第1号議案の定款案を読めば分かるだろ、と思われるかもしれないですが、法務局が審査しやすいように、こちらの思考の道筋を明確に示した方がベターかと思っています。何度か指導されたこともあるので。。

もっと合理的な記載方法、わかりやすい記載方法などがあると思いますが、それは皆様の考え方で色々工夫してみて下さい。私自身も、もっと勉強して、経験とともに都度改善していきたいと思っています。

司法書士 山森貴幸
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