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合同会社の社員が死亡した場合

会社法上、社員の死亡は法定退社事由とされており、その「地位」は、原則として相続されません(会607Ⅰ)。この場合、相続人は、「持分の払戻し」を受けることになります(会611Ⅰ)。
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(法定退社)
第607条 社員は、前条、第609条第1項、第642条第2項及び第845条の場合のほか、次に掲げる事由によって退社する。
 定款で定めた事由の発生
 総社員の同意
 死亡


(退社に伴う持分の払戻し)
第611条 退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる。ただし、第608条第1項及び第2項の規定により当該社員の一般承継人が社員となった場合は、この限りでない。
 退社した社員と持分会社との間の計算は、退社の時における持分会社の財産の状況に従ってしなければならない。
 退社した社員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。


例外として、次の条文があります。
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(相続及び合併の場合の特則)
第608条 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。


この定款規定を置くことによって、社員の「地位」は相続されることになります。
定款記載例(相続の場合の特則)としては次のようなものがあります。
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・当会社の社員が死亡した場合には、当該社員の相続人は当該社員の持分を承継する。
・当会社の社員が死亡した場合には、当該社員の相続人は持分を承継して社員となることができる。
・社員Aが死亡した場合には、その相続人(長男)Bが当該社員の持分を承継する。
・社員が死亡した場合には、遺産分割協議等により当該社員の持分を承継する相続人となった者が当該社員の持分を承継する。
・社員が死亡した場合には、その相続人(当該相続人間で決定した1名に限る。)が当該社員の持分を承継する。
・社員が死亡した場合には、他の社員の承諾を得てその相続人が当該社員の持分を承継する。


司法書士 山森貴幸

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