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「未経過保険料」「契約者配当金」は相続財産か否か

契約者・被保険者が被相続人、受取人を子Aさんと指定している死亡保険金のケース。

★ 未経過保険料については、保険会社の約款に定められていることが多いです。
例えば、かんぽ生命の 終身保険簡易生命保険約款
  ↓
(未経過期間に対する保険料の還付)
第14条 保険料を払い込んだ後、次に掲げる事由が生じたことにより、その直後の月ごとの効力発生応当日以降の期間に係る保険料の全部又は一部について払込みを要しないこととなったときは、その払込みを要しないこととなった期間に対する保険料を保険契約者に還付します。
⑴ 基本契約の消滅
⑵ 保険料の払込免除又は払込不要
⑶ 保険料払込期間又は保険期間の短縮変更
⑷ 保険金額の減額変更
⑸ 保険料払済契約への変更
2 前項の場合の還付する保険料の額は、保険料を払い込んだ時において、機構の定めるところにより、当該還付する保険料の額として算出した額とします。
3 第1項の場合において、還付する保険料は、保険金と同時に支払う場合にあっては、同項の規定にかかわらず、保険金受取人に還付します。ただし、保険契約者がその保険料を受け取る旨の意思表示をしたときは、これを保険契約者に還付します。

この約款に基づくと、未経過保険料は、死亡保険金と同時に支払いを受ける場合、死亡保険金受取人に還付されることになりますので、未経過保険料は相続財産にはならないという考え方になります。

★ 契約者配当金についても、未経過保険料と同じく、保険会社の約款に定められていることが多いです。例えば、かんぽ生命の終身保険簡易生命保険約款
  ↓
(契約者配当金の支払)
第52条 前条の規定により分配した契約者配当金は、次に掲げる事由が生じたときに、保険契約者に支払います。ただし、第1号の場合において死亡保険金を支払うときにあっては、死亡保険金受取人に支払います。
⑴ 被保険者の死亡
⑵ 基本契約の解除の通知
⑶ 基本契約の失効
⑷ 保険金額の減額変更の請求

この約款に基づくと、契約者配当金は、被保険者が死亡している場合、死亡保険金受取人に支払われることになりますので、契約者配当金は相続財産にはならないという考え方になります。

★ 余談ですが、かんぽ生命に聞いてみたところ、入院特約付きの死亡保険の場合、入院特約の部分についての未経過保険料、契約者配当金は無いそうで、未経過保険料と契約者配当金は全額死亡保険金受取人に支払われる取扱いとのことでした。入院保険金についてはホントに保険金をもらうだけ、という感じですね。また、かんぽ生命では、入院や手術保険金は、受取人が被保険者固定で変更もできないそうです。被保険者本人のための保険金ですし、他の人が受け取れるとなると受取人の管理や課税関係も面倒になりますしメリットが無いからだそうです。

cf. 「未経過保険料(前納保険料)」は相続税の対象となるか
cf. 「契約者配当金」「遅延利息」は相続税の対象となるか

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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸

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