賃料とは、賃借物が賃借人による使用収益可能な状態に置かれたことの対価として発生するものであるから、賃借物の一部滅失等により使用収益不能な部分が生じたときは、賃料もその不能部分に対応する割合で当然に発生しないと解すべきである。もっとも、賃借人に帰責事由がある場合にまで賃料の減額を認めるべきではない。(完択 P558)
賃借人に帰責事由がない場合
⇒ 減額請求は不要であり、使用収益不能部分の割合に応じて当然に減額される。
賃借人に帰責事由がある場合
⇒ 賃料は減額されず、賃貸人は、賃借人に対し、損害賠償請求をすることができる。
民法611条1項は任意規定であると考えられるため、賃貸人からすれば、①賃料を減額することとなる理由を限定する旨や、②当然減額ではなく請求減額にする旨、③賃借物の重要部分の使用収益が可能である限り賃料減額を一切しないとする旨、④そもそも611条1項の適用を排除した上で、別途協議を求めることができる旨を定めるなど、さまざまな対応が考えられる。いずれにしても、物件ごとの特徴等に感じ、柔軟かつ適切な解決を図ることができるよう工夫をすることが肝要である。(契約書レビューの実務 P180)
賃借人は、目的物の一部滅失等により、残存部分では賃貸借の目的を達し得ない場合には、契約を解除できる。
⇒ 賃借人に帰責事由がある場合でも、解除することができる。
改正民法は、「賃借人の過失によらない」場合という要件を不要とし、賃借人の過失による場合であっても賃借人による契約解除を認めている。賃借人の過失によって賃借物の一部滅失等が生じ、賃貸借の目的を達成できない状態となった場合であっても、賃貸借契約を存続させることに合理性がないことを理由とする。なお、この場合であっても、賃貸人が賃借人に対して賃借物の一部滅失等を理由として損害賠償請求をすることは可能である。(同 P183-184)
cf. 修繕義務を賃借人に負わせる特約
(賃借物の一部滅失等による賃料の減額等)
第611条 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。
2 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。
(賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了)
第616条の2 賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する。
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プラスカフェ 相続
京都市左京区 設立
司法書士 山森貴幸